CATEGORY ファゴット

ベートーベンが「天からの声」と表現しているように、肉声にちかく深みと温かみのある音色は、いつ聴いても心を安らぎの世界へと導いてくれます。 滑稽な音楽を吹かせれば実にユーモラスな響きで聴き手を魅了する一方、反対に哀しげな音楽を吹かせれば、先とは打って変わって本当に哀しい表情でしんみりと聴かせる。 ファゴットという楽器の音色は原色のドギツい刺激的な音色ではなく、まったりと優しく包み込むような温かみを持っています。 しかも、この楽器の音色は他の楽器の音とブレンドさせるのにも邪魔にならず、非常によく溶け合います。 音色の混ぜ合わせ、という点において、とても懐が深いのです。 オーケストラの中では、地味ではあるが極めて重要なポジションにあると言えます。