【歌ってみたMIX】ハモリ、コーラスの広げ方とPANの使い方

MIX

歌ってみたをMIXしている方でハモリやバックコーラスの配置はどうしていますか?
今回は配置?って言われてもよくわからない方向けにハモリやコーラスの処理とPANの使い方を書いていきたいと思います。

定位って?

よくMIX系の解説ブログや動画で
「歌の定位が〜」
みたいな解説を見ると思うんですが、簡単に言うと音の配置の事です。
ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴いていると
「右からギターが聴こえる」
「左からシンバルが聴こえる」
「ボーカルの後ろにハモリがいる」
みたいな事があると思います。そんな感じで”どこで音が鳴っている”かっていうのが定位です。

ハモリ、コーラスの定位

実際にハモリやコーラスの位置なんですが、初心者の方だとボーカルと同じセンターに定位させる場合が多いと思います。
それも悪くはないのですが、それだと中央に音が集まりすぎて団子になってしまうことがあります。
そこで左右に配置してあげる事で明瞭度を上げるのが一般的です。

それで、配置場所にはある程度セオリーがあって
左(L):高音
右(R):低音
というのが一般的です。
オーケストラの配置を思い浮かべてもらうとわかりやすいと思いますが
1番左側からヴァイオリン→ビオラ→チェロ→コントラバスの順番になっています。

具体的には
左(L):3度上ハモリ
右(R):3度下ハモリ
のように配置すると自然になるかと思います。

このときのPANの値ですが、左右に振り切った状態ですとかなり不自然なのでセンターから少しだけ広げた状態がおすすめです。

こういった配置もある程度セオリーはありますが、こうじゃなければダメということは無いので、あくまでも一般的には、といったふうに捉えてもらえばいいと思います。

ハモリが2本ある場合はこれでいいのですが、1本の場合はどうしたらいいのか?
次にその場合の方法をご紹介したいと思います。

モノラル音源の広げ方

ハモリが1本しか無いときに無理やり左右に広げる方法をご紹介したいと思います。
1番簡単な方法はハモリのトラックをコピーして、片方だけディレイをかけます。
このときのディレイタイムは「10ms〜25ms」くらいが丁度いいと思います。値に関しては適当にいじって気持ちいいところを探っていけばOKです。
ディレイをかけるのではなく、波形をずらしてもOK。
PANは左右全振りではなくセンターから少しずらしたところにしておくのがオススメです。
試しにやってみると驚くほど聞きやすくなるので一度試してみて下さい。

無理に上下2本のハモリを録るよりこの方法のほうがスッキリする場合があるので僕はよく使います。
また、ハモリを録音ではなくメインボーカルからピッチを変更して作る場合は、片側のピッチを少しだけ上下させたり、ビブラートの値を変えたり、タイミングをずらしたりするとものすごくリアル感が出ますので、余裕があれば試してみて下さい。

注意する事が一つあって、人間の耳は、左右の耳で先に聞こえてきた方の音量を大きく感じてしまう傾向があるので、レベルメーターでは無く耳感上でディレイを掛けていない方の音量を少し下げた方がいい場合があります。
気にならなければそのままで全然大丈夫なので参考までに。

ハモリ、コーラスを後ろに下げる

ハモリを広げただけだとボーカルに対して見立ちすぎると思います。レベルを調整するだけでなんとかなる場合もありますが、定位を後ろに下げるといい感じになります。
左右はPANというパラメーターがあるのでわかりやすいと思うのですが、奥行きって何?と思うかと思います。
実は奥行きを制御する具体的なパラメーターは無いのですが、コンプとEQを使って奥行きを再現します。

まずコンプをインサートして、アタックタイム、リリースタイムは早めに設定します。その他のパラメーターはケースバイケースですが、レシオ4:1、KNEEはハード、程度が無難かと思います。
その状態でスレッショルドを徐々に下げていってみてください。
なんとなく音が後ろに下がっていっているのがわかると思います。
楽曲にもよるので適切なリダクション量はなんとも言えませんが、10db以上の極端なリダクションでも全く問題ないです。

これだけでも十分ですが、EQでブラッシュアップすると尚良いかと思います。
具体的にはまずLowを大きく削ります。
180〜250Hz辺りからシェルビングで5〜6db程度ガッツリ削ります。
また630Hz〜1.5KHzを中心に広めのQで3db程度削ります。
まだ目立つようなら4〜5KHzを少し削って上げるといいかと思います。

ここまでやると、メインボーカルの1歩後ろにハモリがいるような状態を作ることができると思います。もう少しハモリを華やかに聴かせたいときは、EQで7kHzくらいからシェルビングでブーストするか、エキサイターを使うのもいいと思います。

なんでこの作業で奥行きが出るかというと、遠くで喋っている声ってモゴモゴしてて、Lowが無いですよね。逆に目の前で喋っている声は言葉もしっかり聞き取れてLowも十分にあります。
アタックの出方とLowの量感で奥行き感は擬似的に再現できるんですよね。人間の錯覚です。

まとめ

ハモリやコーラスの処理について少しは参考になったでしょうか?
音の配置や奥行き感、聞こえ方全般は実際の事例を参考に考えてみるとヒントになることが多いと思います。

普段の生活の中で色々意識してみると意外な発見があるかと思います。
いろんなことに耳を傾けてはいかがでしょうか?

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