【MIX解剖】ハートアラモード

HOW TO

今回のMIX解剖は
さきたす様@sakitasu_39
ぴぴ坊主様@pimori2
のお二人のコラボの解説をしていきたいと思います。

コラボMIXは単独のMIXと違って少しハードルが高いと感じる方も多いかと思いますが、少しコツを押さえればきれいに仕上がりますので、今回はその辺りを中心に解説していきたいと思います。

歌い始め、歌い終わりのタイミングを合わせる

コラボMIXの場合ボーカルエディットのときに単独のMIXと少し違う部分があります。
二人一緒に歌うところは歌い始めのタイミングと歌い終わりの音が切れるタイミングを合わせるときれいに聴こえます。
入りのタイミングは割とずれることはないですが、歌い終わりの長さは結構歌い手さんによって違う事があります。
単独のMIXの場合、そこは歌い手さんの個性に任せてしまえばいいのですが、コラボの場合そういったタイミングがずれていると「なんかビミョー」な感じになってしまうのできっちり合わせるといいと思います。

どちらが主役か見極める

コラボMIXに関わらず複数人の歌のMIXの場合部分ごとの主役が誰かを見極める必要があります。
全員を全面に出そうとすると必ず無理が出てきます。

今回の場合
・1コーラス目:ぴぴ坊主様
・2コーラス目:さきたす様
・ラストサビ:2人とも主役

こんな感じで棲み分けしています。いきなり二人主役ってのは別のやり方があるので後述します。

例えば1サビはぴぴ坊主様とさきたす様の二人で歌っていますが、ぴぴ坊主様は通常のボーカル扱い
さきたす様はコーラス扱いでディレイで広げたりコンプで後ろに下げたりしています。
ちなみにコーラスやハモリの処理はこちらから→

ただ、コラボMIXなので通常のコーラス扱いよりは音量は大きめに設定してあります。
次はラスサビのようなふたりとも主役に持ってくるときはどうするかを解説します。

ボーカルが2人以上のときの対処法

そうは言っても2人共主役にしたいときってありますよね。
そんなときはどうするかというと、キツめにコンプをかけて少しPANを振る事で対処します。

今回ラストのサビで行った処理ですが、お二人の歌のPANをほんの少し、数値でいうと4だけ左右に振りました。
こうすることで同じ位の音量感のボーカルが少しスッキリして分離します。どのくらい振るかは決まりがないので聴きながら気持ちの良いところを探せばいいとお思います。

次に、お二人のボーカルをバスでまとめてコンプをかけました。リダクションは5~6dbくらいするようにしてしっかりとレベリングしす。
これは、2人のボーカルの音量感を合わせてあるので突発的にどちらかの音量が突出すると音量感のバランスが崩れてしまいますので、それを防止するために行いました。

バスでまとめて音作り

これはパラMIXをする場合なんかは必ず行うのですが、同じパート、例えばドラムなんかはすべてのキットをまとめたバスに、コンプとEQをかけて全体の統一感を作る、といった作業と同じです。
それぞれに音作りをしているとどこかまとまりの悪い仕上がりになってしまうので、最後に同じ処理をすることで統一感を出すします。

今回は殆ど通すだけのコンプと、EQでだぶついたローカットとハイブーストをして、リミッターを挿しておきました。

まとめ

お二人の声がとても素敵だったので、素材を殺さないように注意しながら、かつ少しリッチな感じに仕上がるようにMIXしてみました。
コラボMIXは単品のMIXと違って二人の音質をいいところで合わせていく作業が必要なので少し難しく感じるかと思いますが、今回紹介したところを注意すると良い仕上がりになると思いますので、一度挑戦してみてください。